情報セキュリティ対策・実装技術(全209問中26問目)

バイオメトリクス認証における認証精度に関する次の記述中のa,bに入れる字句の適切な組合せはどれか。

バイオメトリクス認証において,誤って本人を拒否する確率を本人拒否率といい,誤って他人を受け入れる確率を他人受入率という。また,認証の装置又はアルゴリズムが生体情報を認識できない割合を未対応率という。
認証精度の設定において,aが低くなるように設定すると利便性が高まり,bが低くなるように設定すると安全性が高まる。

出典:令和3年春期 問69

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分野:テクノロジ系
中分類:セキュリティ
小分類:情報セキュリティ対策・実装技術
解説
バイオメトリクス認証(生体認証)ではコンピュータシステムが照合作業を行うため、本人であっても認証されない確率(本人拒否率)と間違えて他人を認証してしまう確率(他人受入率)がある割合で生じます。この2つは、①本人拒否率を下げようとすると他人受入率が上がってしまう、②他人受入率を下げようとすると本人拒否率が上がってしまう、というトレードオフの関係にあります。このため導入の際には、どちらの確率も許容範囲内に収めるように設定しなくてはなりません。

"本人拒否率を低くする"ということは"認証の判断基準を緩くする"ということなので、本人が拒否されてしまう確率が下がる一方、他人を受け入れてしまう確率が上がるので安全性は低下します。
"他人受入率を低くする"ということは"認証の判断基準を厳しくする"ということなので、他人を受け入れてしまう確率が下がる一方、本人を拒否してしまう確率が上がるので利便性は低下します。
未対応率は、その認証方式を使えない人の割合を示しますが、使用する生体情報や装置によるので認証精度の設定でどうにかなる値ではありません。

したがって、利便性を高めるために低くするのは「本人拒否率」、安全性を高めるために低くするのは「他人受入率」となります。以上より「ウ」の組合せが適切です。

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