令和2年秋期試験問題 問54

システム開発プロジェクトにおいて,テスト工程で使用するPCの納入が遅れることでテスト工程の終了が遅れるリスクがあり,対応策を決めた。リスク対応を回避,軽減,受容,転嫁の四つに分類するとき,受容に該当する記述として,最も適切なものはどれか。

  • 全体のスケジュール遅延を防止するために,テスト要員を増員する。
  • テスト工程の終了が遅れても本番稼働に影響を与えないように,プロジェクトに予備の期間を設ける。
  • テスト工程の遅延防止対策を実施する費用を納入業者が補償する契約を業者と結ぶ。
  • テスト工程用のPCがなくてもテストを行える方法を準備する。
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分野:マネジメント系
中分類:プロジェクトマネジメント
小分類:プロジェクトマネジメント
解説
プロジェクトマネジメントにおける「回避」「軽減」「受容」「転嫁」の4つのリスク対応戦略は、プロジェクトにマイナスの影響を与えるリスクに対して実施するものです。
回避(かいひ)
リスクそのものを取り除いたり、プロジェクトにリスクの影響が及ばないようにスコープや目標を縮小・変更する方策
軽減(けいげん)
リスクの影響範囲や損害度合いを低減させたり、発現確率を低減するような方策
受容(じゅよう)
リスクが現実化した時の影響が許容可能な範囲内である時に、特段対策をせずにそのままにしておく方策。対策費用が予想される損失金額を上回っているときなどに採られる
転嫁(てんか)
リスクによる影響を第三者へ移転する方策。リスクのある業務や作業をアウトソーシングしたり、損害の発生に備えて損害賠償保険を掛けたりすることで、リスクの影響を自社から他社に移転する策が該当する
選択肢の事例をそれぞれの対応戦略に当てはめると以下のようになります。
  • リスクの発生確率を下げているので、リスク軽減に該当します。
  • 正しい。リスクの発生確率や影響をコントロールしようとしていないので、リスク受容に該当します。リスク受容を選択する場合は、本肢のように、リスク発現時に備えた予備プラン(コンティンジェンシープラン)を用意しておくことが多いです。
  • 対策費用の負担を他社に移転するので、リスク転嫁に該当します。
  • リスクの現実化によるマイナスの影響を排除しているため、リスク回避に該当します。

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