平成29年春期試験問題 問17

意匠権による保護の対象として,適切なものはどれか。

  • 幾何学的で複雑なパターンが造形美術のような,プリント基板の回路そのもの
  • 業務用車両に目立つように描かれた,企業が提供するサービスの名称
  • 工芸家がデザインし職人が量産できる,可愛らしい姿の土産物の張子の虎
  • 魚のうろこのような形の重なりが美しい,山の斜面に作られた棚田の景観
正解 問題へ
分野:ストラテジ系
中分類:法務
小分類:知的財産権
解説
意匠権は、物の形状や模様、色彩などで表した商品デザインなどのように、工業上の利用性があり、製品の価値や魅力を高める形状・デザインに対して認められる権利です。知的財産権のうち特許権などと同じ産業財産権に分類され、権利存続期間は出願日から25年です。

特許庁HPによれば、意匠登録の対象は次に挙げる2つの要件を満たすものとされています。
視覚を通じて美感を起こさせる意匠
形態・デザインが肉眼で識別可能であること
工業上利用できる意匠(工業上の利用性)
工業的(機械的、手工業的)生産過程を経て反復生産され、量産される物品のデザインであること
  • 物品の外観に現れない構造的機能は意匠権の対象となりません。半導体集積回路の回路素子や導線の配置パターンについては回路配置権の保護対象です。
  • 商標権による保護対象です。
  • 正しい。手工業による量産であっても反復生産可能ならば意匠権による保護対象になります。
  • たとえ美しいデザインでも工業上の利用性がない、自然物で量産できないもの、ビル等の不動産、絵や彫刻といった純粋美術の分野に属する著作物、には意匠権が認められません。

Pagetop