平成30年春期試験問題 問35

PL法(製造物責任法)によって,製造者に顧客の損害に対する賠償責任が生じる要件はどれか。

[事象A]
損害の原因が,製造物の欠陥によるものと証明された。
[事象B]
損害の原因である製造物の欠陥が,製造者の悪意によるものと証明された。
[事象C]
損害の原因である製造物の欠陥が,製造者の管理不備によるものと証明された。
[事象D]
損害の原因である製造物の欠陥が,製造プロセスの欠陥によるものと証明された。

  • 事象Aが必要であり,他の事象は必要ではない。
  • 事象Aと事象Bが必要であり,他の事象は必要ではない。
  • 事象Aと事象Cが必要であり,他の事象は必要ではない。
  • 事象Aと事象Dが必要であり,他の事象は必要ではない。
正解 問題へ
分野:ストラテジ系
中分類:法務
小分類:労働関連・取引関連法規
解説
製造物責任法(PL法)は、製造物の安全性上の欠陥により人の生命、身体、財産に被害が生じた場合に、消費者が製造業者に対して損害賠償を請求できることを定めた法律です。

製造物責任法3条では、製造物責任の要件として
  1. 製造業者等が製造し、引き渡した製造物によって損害が生じたこと
  2. 製造物に欠陥が存在したこと
  3. 欠陥と損害発生との間に因果関係が存在すること
という3つの要件を定めています。つまり、PL法に基づく損害賠償責任を追及しようとするときには「欠陥と損害の因果関係の証明(事象A)」をしなければなりません。逆に言えば、事象Aのように損害と欠陥の因果関係が立証されたときにだけに製造業者等に賠償責任が生じます。

事象B、C、Dのような欠陥発生原因等の証明は法律の要件に含まれていませんので、「事象Aが必要であり,他の事象は必要ではない」が正解となります。

Pagetop