ITパスポート試験 用語辞典

あーるぴーえい
RPA
【Robotic Process Automation】
AIやロボット技術を活かして、これまで人間が行っていた定型的なPC作業をソフトウェアのロボットにより自動化する仕組みのこと。具体的には、ユーザ・インタフェース上の操作を認識する技術とワークフロー実行を組み合わせ、表計算ソフトやメールソフト、ERP(基幹業務システム)など複数のアプリケーションを使用する業務プロセスをオートメーション化する。
日本の生産労働人口が減少局面にあるなか、従来より少ない人数で生産力を高めるための手段と方法して注目を集めている。
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別名:
ロボットによる業務自動化
分野:
分野:ストラテジ系
中分類:システム戦略
小分類:業務プロセス
重要度:
(Wikipedia ロボティック・プロセス・オートメーションより)

ロボティック・プロセス・オートメーション(Robotic Process Automation, RPA)とは、認知技術(ルールエンジン・機械学習・人工知能等)を活用した、主にホワイトカラー業務の効率化・自動化の取組みである。人間の補完として業務を遂行できることから、仮想知的労働者(Digital Labor)とも言われている。また、デスクトップ作業のみに絞ったものをロボティック・デスクトップ・オートメーションと呼び、RPAと区別することもある。

RPAと今までの自動化との違い

RPAは、画面上のアプリケーション、システム画面を識別し、人間と同じように操作を行うことができるようなソフトウェア(ソフトウェアロボット)によって実現されている。ソフトウェアロボットは伝統的なプログラム言語で構築されるわけではなく、事前に設定された実行手順に従って動作する。RPAが目指すのは伝統的なIT部門スタッフ向けのプログラミングベースの自動化ではなく、ITナレッジの少ない業務部門スタッフ向けの直観的な操作で構築可能な自動化である。ソフトウェアロボットは仮想知的労働者で、業務部門のスタッフが未経験の新入社員をトレーニングするように、直観的な方式で短時間でトレーニング(構築)することが可能である。

この概念は2つの意味を持っている。まず、業務自動化に関して業務部門におけるセルフサービスが実現される。次に、高度なITスキルを持つIT部門のスタッフがERPシステムやBPMシステム等戦略的でコアな企業ITシステムの構築、導入、運用に集中することができる。ERPシステムやBPMシステムの導入は通常業務変革が伴われるため、企業にとって中長期に渡って大きな効果をもたらす。一方RPAの場合は短期間で業務オペレーションの効率・品質・コストの改善をもたらす。したがって、RPAは既存の自動化取り組みに対する補完手段ともいわれている。

RPAソフトウェアの特徴

コード不要

RPAはコーディングの技術が不要である。

多くのRPAのプラットフォームはMicrosoft Visioのようにフローチャートに沿ったデザインで設計されている。処理の規定はGUIで各処理のアイコンをドラッグアンドドロップする事で作成できる。

無停止

伝統的なIT投資の課題の1つは既存のシステムの改修が複雑でリスクを伴う事である。そのため多くの大規模な組織は再設計を躊躇っていた。

ユーザビリティ

RPAは容易に扱うことができ、技術的なサポートをあまり要求されないため、IT部門ではなく、ユーザー側で採用の経緯を説明する事ができるかもしれない。なぜならRPAのプロジェクトは高価なIT投資が必要なプラットフォームは必要なく、自動化可能な業務のハードルは大きく低下するからである。

RPAソフトウェアのベンダー

著名なRPAのベンダーを以下に挙げる。
  • Automation Anywhere
  • BlackLine
  • Blue Prism
  • Datamatics
  • EdgeVerve
  • HelpSystems
  • Kofax
  • NICE
  • Pegasystems
  • UiPath
  • Verint

RPAがもたらすインパクト

業務自動化範囲の拡大
伝統的な自動化取り組み(例えばERPシステム)でカバーしきれなかった業務が自動化され、業務の効率・品質・コストが改善される。
リソースの効率的な再配置
業務部門のスタッフが業務オペレーションから解放され、業務の改善やイノベーション等に取り組む時間が増える。一方IT部門のスタッフはコアなITシステム、ITサービスに集中できる。
業務ソーシングの変化
RPAの出現によって、過去BPO業者にアウトソーシングされていた業務がソフトウェアロボットで自動化できる可能性が増えている。企業にとってアウトソーシングされた業務を引き続きBPO業者に委託するか、RPAを導入し内製化するかを再考する必要性が出てくる。

一方BPO業者は中国やインド等の低賃金リソースを利用してビジネスを展開してきたが、RPAの積極的な取り入れ等ビジネスモデルの転換が求められている。

RPAの将来

機械学習・人工知能等のRPAを構成する要素技術の発達により、今後より一層ホワイトカラー業務の効率化・自動化が進むと予想される。

定型作業については人間の介在無しにRPAにより業務が完結できるようになり、さらに、人間の判断が必要とされる非定型作業の自動化も実現されると考えられる。

オックスフォード大学の研究によると、今後おそらく10〜20年程度でアメリカの47%の雇用が自動化される潜在的な可能性があると推測されており、RPAが社会に与える影響は大きなものになると考えられる。

特に日本では、生産年齢人口の減少も相まって更なるニーズが出てくることが予想される。

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