組織やプロジェクトの目標達成に必要なKPIを洗い出し、ツリー構造に整理してKPI同士の因果関係を明確にする手法。

ツリー構造の最上位に最終的な目標を配置し、その目標を達成するために必要な要素を枝分かれさせながら分解し、各要素に対応する具体的なKPIを設定する。目標達成のための指標を整理するKPIツリーは、意思決定の根拠と目標達成に至るプロセスを明確に提示し、論理的な戦略立案を支援するため、経営戦略やプロジェクトマネジメントにおいて広く活用されている。

例えば、ECサイトの売上向上を目標とする場合、KPIツリーの最上位に売上目標であるKPIを設定し、「売上」を「購入者数」×「平均購入単価」に分解する。「購入者数」は「サイト訪問者数×購入率」に分解でき、「サイト訪問者数」をさらに分解し、それぞれに対してKPIを設定する。この作業を繰り返してKPIツリーを作成することで、各指標がどのように関連しているのかが視覚的に整理され、目標達成への道筋が明確になる。

KPIツリーは、モチベーションの向上や業務の効率化を可能にするが、過度に細分化すると、管理が煩雑になり、目標達成の妨げとなるため、適切な粒度で設計することが重要である。また、「ブランドイメージを向上させる」のような数値化が難しい目標の場合は、「SNSにおける“いいね”の数」のように、主観的なイメージを測定可能な数値に置き換える必要がある。