環境負荷を低減しつつ、経済成長を促進するための取り組みのこと。

企業や社会全体がカーボンニュートラル（温室効果ガスの排出を実質ゼロにすること）を目指し、再生可能エネルギーの比重を増やす、生産プロセスを持続可能なものへ移行する、ビジネスモデルの変革や新技術の導入により、産業競争力を高めるなどを実施することでGXを加速させ、環境保護と経済成長を両立する社会の実現を目指す。日本では、2023年に脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律（GX推進法）が成立している。

GXでは、再生可能エネルギーの活用に加え、エネルギー効率の向上も重要なテーマの一つであり、企業は生産設備の省エネルギー化や、スマートグリッド（電力を効率的に制御するシステム）などの導入が進められている。さらに、二酸化炭素を回収・再利用するカーボンリサイクル技術もGXの一環として注目されている。GXは、企業の競争力向上にもつながり、環境負荷の低い製品や新技術の開発によって新たな市場を開拓できるほか、GXへの積極的な取り組みを行う企業を高く評価するESG投資家（環境・社会・ガバナンスを重視する投資家）からの資金調達においても、優位性を確保できる。