ITパスポート平成26年春期 問19

問19

国民生活の安心や安全を損なうような企業の法令違反行為の事実を,労働者が公益通報者保護法で定められた通報先に通報した場合,その労働者は同法によって解雇などの不利益を受けないよう保護される。次の労働者の行為のうち,労働者が公益通報者保護法の保護を受けられる事例はどれか。
  • 企業秘密漏えい禁止の就業規則に反するが,勤務先の通報対象事実を,法に基づいて定められた通報先に実名で通報した。
  • 勤務先の業務とは無関係な,勤務先の同僚の私生活における法令違反の事実を,法に基づいて定められた通報先に実名で通報した。
  • 勤務先の不適切な行為が通報対象事実に該当するかを確認するため,弁護士に相談した。
  • 不特定多数が閲覧できるWebサイトに,勤務先の法令違反の事実を投稿した。

分類

ストラテジ系 » 法務 » その他の法律・ガイドライン

正解

解説

公益通報者保護法は、犯罪行為や法令違反について公益通報を行った人が解雇や降格などの不利益措置を受けることがないように保護する法律です。公益通報に関して事業者や行政機関の対応基準を定めることで、公益通報者を保護し、公正な社会の実現を目指しています。

「公益通報」となるためには、次の要件をすべて満たす必要があります。
  1. 通報者が、通報対象の事業者に役務提供している労働者(労働者であったものを含む)であること
  2. 労働者の勤務先の事業者、または勤務先の事業に従事する場合における役員、従業員、代理人などについての通報であること
  3. 法定の犯罪行為または法令違反行為が生じ、またはまさに生じようとしていること
  4. 通報内容が真実であると証明できること
  5. 信ずるに足りる相当の理由があること
  6. 役務提供先である事業者、または通報対象事実について処分もしくは勧告等をする権限を有する機関に対する通報であること
選択肢の記述を上記の要件に照らして考えていきます。
  • 正しい。所定の行政機関等に対する公益通報では、次のいずれかの場合に公益通報の要件を満たします。
    • 通報対象事実が生じ、またはまさに生じようと信ずるに足りる相当の理由がある場合
    • 通報対象事実が生じ、またはまさに生じようと思料し、かつ、通報者の氏名・住所、通報対象事実の内容と思料する理由を提出した場合
    本事例は、通報内容が勤務先の不正競争防止法違反についての事実であり、所定の通報先に実名を提供して通報しているので保護の対象となります。
  • 公益通報とは、労働者・退職者・役員が不正の目的でなく勤務先における刑事罰・過料の対象となる不正を通報することです。勤務先の業務と全く関係のない私生活上の犯罪行為や法令違反行為は公益通報の対象とはなりません。
  • 公益通報と認められるためには、勤務先または所定の行政機関等に通報しなければなりません。弁護士に相談しても公益通報としての保護は受けられません。
  • 公益通報と認められるためには、勤務先または所定の行政機関等に通報しなければなりません。一般のWebサイトに投稿しても公益通報としての保護は受けられません。
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