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[4462] 脱・過去問暗記のためのチェックポイント

 オリザさん(No.1) 
IP ブロンズマイスター
週末まであまり相談は無いかなと予想して、別主旨のスレを立ててみます。勉強中の方は、ピンときたところだけでもお持ち帰りいただけると幸いです。

【読解力編1  一歩踏み込んだ用語の意味を身に着けよう】
・場面を踏まえているか?
例えばファシリティマネジメント(FM)。公開過去問でも純粋に意味を問う問題ばかりではないです。事業継続計画におけるFM、情報漏えい対策としてのFM・・・。FMに限らず、問題演習においては問われている場面を正しく捉えることが必要です。
また、このサイトのオリジナル予想問題には、とある法律に抵触する行為を問いつつ選択肢が全部良からぬ行為(正解以外は他の法律の違反行為)というのがありました。これも場面の理解を問われていると言えます。

・用語の深い意味、用語と用語の関係性を説明できるか?
例えばBYOD。自前のスマホやタブレットを仕事で使うことと理解してる人は多いと思いますが、一つ重要な視点が抜けています。
会社公認だということです。
会社が認めていなければ、シャドーITです。
シラバスでもBYODはストラテジ系、シャドーITはテクノロジ系とされていますが、表裏一体の語句なのです。このあたりの理解が問われてもおかしくない気はします。
2022.09.20 22:28
 オリザさん(No.2) 
IP ブロンズマイスター
【読解力編2  4分類シリーズの攻略】
4つに分類される概念は、1つ1つ説明すると選択肢が4つ作れるため、4択問題と非常に相性が良いです。
・PPM(product portfolio management)
負け犬と花形はわかりやすいと思うので、問題児と金のなる木の覚え方に絞ります。
金のなる木とは、「労せずお金が手に入る状況」の例えです。市場の成長率は低くても自社シェアは高いから安定して稼げる。ワンチャン市場が成長すれば、さらに儲けが増える。この状況が金のなる木です。問題児はその逆と覚えましょう。
  
・リスクへの対応
リスクの発生を抑えるような事前対策をしていれば「リスク軽減(低減)」
特に事前対策なし、または発生した場合の対策が書いてあれば「リスク受容」。
そもそもリスクのあることはやめる・手を引いていれば「リスク回避」
自分以外にもリスクを背負わせていれば「リスク共有(転嫁・移転))」
  例えば保険会社は、契約者に何かあれば貰った保険料より遥かに高額の保険金を支払うリスクを背負います。

・PDCAサイクル
Cがいちばんわかりやすいです。「監査」「評価」「レビュー」「是正勧告」など、ご意見頂戴したことを言っていればCです。
次にDとAの見分け方。どちらも何かを「やる」のですが、前段にCっぽい記述があって改善を行ったという内容ならA、純粋に計画を遂行したとしか読めなければDです。
Pは計画です。前段にAっぽいことが書いてあって、「新たな計画を作った」とか書いてあればこれもPになるのかな。

・SWOT分析
文章が強み・弱み・機会・脅威のどれにあたるかを問うものが多いですね。この場合、文章が社内のことを言ってるのか社外のことを言ってるのか、ここを正確に掴むのが重要です。その後、ポジティブ情報かネガティブ情報かで分けていきましょう。
社内のポジが強み、社内のネガが弱み、社外のポジが機会、社外のネガが脅威です。

・バランススコアカードの4つの視点
「誰が喜ぶか?」で判断しましょう。
財務の視点:株主が喜ぶ(例:利益が拡大するような取り組み)
顧客の視点:お客様が喜ぶ(例:価格が下がる、アフターサービスが拡充する)
業務プロセスの視点:部門長が喜ぶ(例:品質や機能、生産性が上がる)
学習と成長の視点:一般社員も喜ぶ
2022.09.20 22:31
 オリザさん(No.3) 
IP ブロンズマイスター
【読解力編3  帰納と演繹をフル活用しよう】
語句問題の問題文や選択肢は、本来の意味より狭く書かれたり、全体よりも個別事例が書かれる傾向があります。このため、同じ語句について問題をやりこむと、「この語句にはこんな側面もあるのか、こんな事例もあるのか」という気付きが集まって、しだいに全体像が見えてきます。
このように、個別事例を集めて全体像や一般論を導くことを"帰納推論"とか"帰納法"といいます。帰納推論でことばの全体像を掴んだら、"演繹推論"で問題をやっつけることができます。

演繹推論は帰納推論と逆のアプローチです。全体論・一般論と照らし合わせて、個別事例の正誤を推測する方法で、特にストラテジ系の法務分野で力を発揮します。
法務の問題で問われる「これは違法か(適法か)」の事例がなかなか細かく、しかも違法・適法の例なんていくらでも作れます。
そうなると、個別事例を一から覚えるより「全体的にこういうことが違法(適法)」と覚えて、演繹推論で検証したほうが早い。

勉強においては帰納と演繹を意識的に行ったり来たりすることで理解が深まり、あらゆる角度からの質問に対応できるようになります。
ちなみに帰納推論と演繹推論という言葉自体がITパスポートの試験範囲ですので、ぜひ覚えましょう。
2022.09.20 22:34
 オリザさん(No.4) 
IP ブロンズマイスター
先週に続いて合格手前の方向けのチェックポイント、今日は計算問題編として4つ挙げてみます。

【計算問題編1  財務関係の計算】

・損益分岐点
最重要ポイントは、  売上高=変動費+固定費 の立式です。これが全てです。
次に、変動費は売上高に比例するという性質を使い、式から変動費を消します。
変動費は(一定の係数)×(売上高)として表すことができます。
一定の係数は問題文や表から求められます。売上がa円のときの変動費がb円なら、一定の係数 = b/aです。
これを使って最初の式を書き直すと、  売上高 = b/a×売上高+固定費
b/a×売上高を左辺に移項して、計算を進めると求められます。
この式は変形していくと損益分岐点の公式になりますが、なぜそうなるかが分からないまま公式使うよりは冒頭の等式を作る訓練をしましょう。

・財務分析
流動比率、売上高経常利益率、自己資本比率などの出題が考えられますが、2つの原則を覚えましょう。
①~〜(比)率という名のとおり、何かを何かで割って比率を求める指標である
②割り算に何の数字を使うかが、そのまま名前になっている
  ただし分母と分子を間違えやすいので、この分野を身に付けたい人は簿記などの教材や解説サイトを当たることをおすすめします。
2022.09.25 21:18
 オリザさん(No.5) 
IP ブロンズマイスター
【計算問題編2  稼働率】

稼働率とは確率です。確率の問題では次の2原則を使います。
①"かつ"は掛け算、"または"は足し算
②"または"を漏れ無くダブり無く場合分けして確率を全部足すと1になる
なぜそうなるかの解説は長くなるので、ほかのサイトに委ねます。

稼働率0.95の装置Aと稼働率0.90の装置Bによるシステムを考えます。
AとBを直列でシステムを組む場合、Aも稼働 "かつ" Bも稼働しているときだけ全体が稼働するので、全体の稼働率は0.95×0.90=0.855

AとBを並列でシステムを組む場合、A "または" Bが稼働していればOKと考えます。
しかし直列のときより複雑なのは、AまたはBが稼働しているとはどういうことかを吟味する必要があります。AとBの装置稼働状態を場合分けすると、
ア:Aだけが稼働  イ:Bだけが稼働  ウ:AもBも稼働  エ:AもBもダウン
となります。上記はAとBの稼働状況の組み合わせを漏れ無くダブり無く網羅しているので、アの確率+イの確率+ウの確率+エの確率=1になります。
今求めたいのはAまたはBが稼働する確率なので、アまたはイまたはウ の確率です。つまり、1ーエの確率を求めれば良いことになります。
また、AB各システムについて、"稼働している"状態と"ダウンしている"状態は漏れ無くダブり無く場合分けされているので、
ABそれぞれについて、稼働率+ダウン率=1。つまりダウン率は1-稼働率で求めることができるので、Aのダウン率は0.05、Bのダウン率は0.10です。
エの確率は、Aがダウン "かつ" Bがダウンする確率ですから、0.05×0.10=0.005
求めたい確率は、1 - 0.005=0.995

なお確率の考え方としては邪道ですが、
並列のときの稼働率は0.95(Aの稼働率)+0.90(Bの稼働率)- 0.855(AとBがともに稼働している確率)=0.995としても出ます。
なぜならこの計算は、(ア+ウ)+(イ+ウ)ーウ=ア+イ+ウ  をやっていることに他ならないからです。
2022.09.25 21:24
 オリザさん(No.6) 
IP ブロンズマイスター
【計算問題編3  2進数と10進数の変換】

10進数は、数字を表すために0123456789の10種類の記号を使い、9まで行ったら次は位を上げます。
どういうことかというと、ひゃく、にひゃく、さんびゃく・・・きゅうひゃくと来たら、次はじゅうひゃくじゃないですよね。ひゃくで表すのはやめて せん で表します。
桁は、1の位、10の位、100の位・・・と、10倍ずつ大きくなっていく特徴があります。
10進数の3059という数字は何かというと、
1000の位が3こ、100の位が0こ、10の位が5こ、1の位が9こ
合計1000×3 + 100×0 + 10×5 + 1×9  これを皆さん頭の中で無意識にやっています。

2進数は、数字を表すために使う記号は0と1の2種類だけです。そして桁は、1の位、2の位、4の位  と倍倍になっていきます。
10進数や2進数とは、「使える記号の種類数」「桁が上がると何倍になるか」を表します。16進数でも同じです。

2進数の特徴に戻ります。2進数の10110という数字は
16の位が1こ、8の位が0こ、4の位が1こ、2の位が1こ、1の位が0こ
となります。これを10進数に直すと、  16×1 + 8×0 + 4×1 + 2×1 + 1×0 = 22

逆に10進数の数字を2進数に直すときは、2進数の位の足し算で表現することを考えます。
例えば43を2進数で表すことを考えると、43 = 32×1 + 16×0 + 8×1 + 4×0 + 2×1 + 1×1 
まとめると32の位が1、16の位が0、8の位が1、4の位が0、2の位が1、1の位が1 で101011 

小数点以下も同じ考えで、10進数だと10分の1の位、100分の1の位、1000分の1の位・・・となるところが、2進数だと2分の1(0.5)の位、4分の1(0.25)の位、8分の1(0.125)の位・・・となります。
10進数で0.625という小数を2進数に直すことを考えると、
0.625 = 0.5 + 0.125
よって、0.5の位が1、0.25の位が0、0.125の位が1  で0.101 となります
ちなみに小数の換算は、割り切れずに無限小数となることがあります。
2022.09.25 21:27
 オリザさん(No.7) 
IP ブロンズマイスター
【計算問題編4  単位ごと掛け算割り算する】

データ容量や所要時間などの計算問題は単位の掛け算割り算がすべて、という話をします。
「100km離れた街までドライブしたら、片道2.5時間かかった。このときの平均時速はいくらか」という問題があったら、皆さん無意識に  100÷2.5 = 40  答:40km/h  と計算すると思います。
これは何をやっているかというと、100kmを2.5h(時間)で単位ごと割り算してるんです。速度の単位が距離÷時間の形になっているのはこれが理由です。
掛け算も同様です。縦3cm横4cmの長方形の面積は、単位ごとかけ算して12cm^2。
立方体の体積だったらcmを3回かけることになるから単位はcm^3になる。

これがわかっていると、答えの単位から計算式が推測できてしまいます。
「データ転送速度は1秒あたり何メガバイトか」という問いなら、答えの単位はMB/秒で確定です。
あとは与えられた数字の単位を掛けたり割ったりしてMB/秒を作ればいいです。
もちろんビットとバイトの換算、メガの換算、時間から秒の換算などを間違わないように。

この考え方は、財務分析の計算にも応用できます。
平成31年度の公開問題で、「資本利益率は,売上高利益率(利益÷売上高)と資本回転率(売上高÷資本)に分解して求め,それぞれの要素で分析することもできる。」という記述があるのですが、
売上高利益率と資本回転率を掛けると、売上高が相殺して利益÷資本だけ残るのが分かりますか?
そして利益÷資本という式と資本利益率という言葉を見比べたとき、【計算問題編1】で紹介した
①~〜(比)率という名のとおり、何かを何かで割って比率を求める指標である
②割り算に何の数字を使うかが、そのまま名前になっている
にピッタリ当てはまるのが分かりますか?
当の問題では、資本利益率と資本回転率の数字が与えられていて売上高利益率を求めよ、となっていたので、資本利益率を資本回転率で割るのが正解でした。

このように、「目的の単位や計算式を得るために、与えられた単位や計算式をどう掛けたり割ったりすればいいか」という逆転の発想は、計算問題において強い武器になります。
単位ごと掛け算割り算しよう!  と似た主旨の話は、某ITすきま教室の方も動画で解説しています。興味のある方はぜひ探してみてください。
2022.09.25 21:40
 オリザさん(No.8) 
IP ブロンズマイスター
補足
単位ごと掛け算割り算するの考え方の延長で、単位の変換もできます。

例えば、1分は60秒ですよね。
つまり  1分 = 60秒
両辺を1分で割ってみると、1 = 60秒/1分
両辺を60秒で割ってみると、1分/60秒 = 1

32分は何秒か?
→  32分 = 32分 × 1
          = 32分 × 60秒/1分
          = 1920秒

780秒は何分か?
→  780秒 = 780秒 × 1
           = 780秒 × 1分/60秒
           = 13分

このように単位変換のときは、消したい単位を分母、残したい単位を分子にして掛けると良いです。
計算問題を苦手にしている方は、問題文に出てくる値と単位、そして求められている計算結果の単位を書き出してみましょう。
問題に出てくる単位を掛けたり割ったり変換すれば、求める単位を必ず作れるはずです。そうでなければ、問題が成り立ちません。
2022.09.27 22:42
 オリザさん(No.9) 
IP ブロンズマイスター
この投稿は投稿者により削除されました。(2022.10.03 19:53)
2022.10.03 19:53
 オリザさん(No.10) 
IP ブロンズマイスター
【計算問題5  必要な部品数を単位ごと計算で解く】
難敵の一つ、必要な部品数の計算。
https://www.itpassportsiken.com/s/kakomon/31_haru/q12.html
↑平成31年公開問題“シュウマイ弁当”を例に取って解説します。
弁当とシュウマイの単位がどちらも 個 でややこしいので、ここでは弁当の単位を 食 にします。

まず答えの単位を確認します。「豚肉は何グラムか」なので、求める答えの単位はgですね。その一歩手前、弁当1食あたりの豚肉量  すなわちg/1食が求まれば、100食をかけることで答えが出せそうです。


①表から弁当1食あたりのシュウマイの数を単位ごと表すと、 5個/1食
②表からシュウマイ1個あたりの具の重さを単位ごと表すと、20g/1個
③表から具100gあたりの豚肉量を単位ごと表すと、60g/100g  約分すると3/5で単位無し

①から③までの数字を全部単位ごとかけてみましょう。
5個/1食 × 20g/1個 × 3/5 = 60g/1食
弁当1食につき豚肉が60g使われることが分かりました。
あとは100食を単位ごとかけて、6000g が答えです。

今回は一気に食数から豚肉重量を求めましたが、材料に在庫がある場合は少し厄介です。
逐一食数を個数、具の量、肉の量に換算して、全体の必要量から在庫量を差し引く必要があります。
2022.10.03 20:10
 オリザさん(No.11) 
IP ブロンズマイスター
【問題演習編】目的と臨み方を整理しよう

問題演習には①実力測定  ②インプットの補足  の2つの目的があります。今日自分はどちらのモードで臨むのかをしっかり自覚すしましょう。
特に②の巧拙は本番の結果に影響します。

・実力測定はいつやるか、何回やるか
  本番直前にやるのは自然な考えとして、個人的にはその前に1-2回やってもいいと思います。
  公開過去問なら8割-9割という目安があり、勉強途中でも自分の現在地はやはり気になると思うからです。
  実力測定モードのときは、本番に近い条件で解きます。つまり100問セットを120分以内で解く、といった形です。
  ただ、本番まで時間があって実力不足を承知のときは、そこまで拘らなくていいかも。

・インプットの補足とは?
  参考書で学んだ知識は問題としてどう料理されるのか、自分はどこら辺が理解不足なのか。それを知って実戦向きにインプットし直すことです。
  このモードのときは、量より質。苦手分野なら苦手分野だけ解き、不正解の理由と向き合う「復習」が主目的になります。
  語句問題の場合、不正解の理由は①単に知らなかった  ②知ってたが似た語句と取り違えた  ③知ってたが問題で問われた一面を知らなかった」あたりに分類されると思います。
②のパターンが多い方は、ITパスポートが4択問題だということから離れて、自分の言葉での説明を試みてください。
③のパターンが多い方は、その語句に関する問題を解きまくって、その語句がどう説明されるかの事例を集めましょう。
2022.10.03 20:26

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