ITパスポート試験 用語辞典

労働施策総合推進法ろうどうしさくそうごうすいしんほう
職場におけるパワーハラスメント対策を強化するために改正された、労働者の職業の安定と経済的・社会的地位の向上、および経済・社会の発展と完全雇用の達成を目的とする法律である。正式名称は「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律」。

2019年の改正により、パワーハラスメント防止措置の実施、不利益取扱いの禁止(相談等を理由とするもの)などの防止規定が事業者に義務付けられたことから、「パワハラ防止法」とも呼ばれている。なお、セクシュアルハラスメントについては、労働施策総合推進法ではなく、男女雇用機会均等法に基づいて事業者に防止措置が義務付けられている。

職場においてパワーハラスメントと認定されるのは、次の三つの要素すべてを満たす言動である。①優越的な関係を背景とした言動、②業務上必要かつ相当な範囲を超える言動、③就業環境が害されること。なお、業務上必要で適正な業務指示や指導は、これには該当しない。

この法律に基づき、事業主が実施すべきパワーハラスメント防止措置を示した指針が定められており、その内容には、以下の事項が含まれている。
  • 事業主の方針の明確化と周知・啓発
  • ハラスメントに関する相談に適切に対応する相談窓口等の体制の整備
  • ハラスメント発生後の迅速かつ適切な対応および再発防止
  • プライバシーの保護および不利益取扱いの禁止
この法律の整備により、大企業では2020年6月から、中小企業では2022年4月から、パワーハラスメント防止措置の実施が義務化された。違反があった場合には、行政指導や勧告、企業名の公表といった措置が科されるほか、ハラスメントに関して適切な報告を怠った場合や、虚偽の報告を行った場合には、第41条に基づく罰則規定も適用される。さらに、事業者に対する義務だけでなく、労働者に対してもハラスメント問題を理解し、事業者の措置に協力するとともに、他の労働者に対する自らの言動に注意を払う責務が定められている。
別名:
パワハラ防止法
分野:
ストラテジ系 » 法務 » 労働関連・取引関連法規
(シラバスver6.3)
重要度:
「労働関連・取引関連法規」に属する用語
「法務」の他の分野
「ストラテジ系」の他のカテゴリ
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