ITパスポート試験 用語辞典

人間中心設計にんげんちゅうしんせっけい
ユーザの要望を実現し、ユーザにとって使いやすいシステムを、ユーザも関与しながら設計するという考え方のこと。ユーザだけでなく関係するステークホルダへの影響も考慮すべきという立場から人間中心という表現が用いられる。人間中心設計のプロセスはISO 9241-210で、日本ではJIS Z 8530で規定されている。

JIS Z 8530では人間中心設計を「システムの利用に焦点を当て、人間工学の知識及び技法を適用することによって、インタラクティブシステムをより使いやすくすることを目的とするシステムの設計及び開発へのアプローチ」と定義している。ここでインタラクティブシステムとは、ユーザが特定の目的を達成するために相互にやり取りするハードウェア、ソフトウェア、サービスなどを指し、ユーザマニュアルや人による支援、保守などのサポートやトレーニングも含まれている。

人間中心設計の原則として以下の6つがあり、システムの構想・分析・設計・実装・試験・保守すべての段階で人間中心設計を計画し組み込むことを求めている。
  1. ユーザ、タスクおよび環境の明確な理解に基づいて設計する(ユーザだけでなく、影響を受けるステークホルダーも考慮するのが望ましい)
  2. ユーザは設計及び開発の全体を通して関与する
  3. ユーザの視点からの評価に基づいて設計を方向付け、改良する
  4. 想定した成果を達成するまでプロセスを繰り返す
  5. ユーザエクスペリエンスを考慮して設計する
  6. 様々な専門分野の技能及び視点を持つ人々を設計チームに加える
人間中心設計の実際の手順は、①利用状況の理解及び明示、②ユーザ要求事項の明示、③ユーザ要求事項に対応した設計解の作成、④ユーザ要求事項に対する設計の評価、という四つの工程を1サイクルとし、必要に応じて上流の工程に戻って評価と改善を繰り返し、ユーザの要求を満たしていく。
分野:
テクノロジ系 » 情報デザイン » インタフェース設計
(シラバスver6)
重要度:
「インタフェース設計」に属する用語
「情報デザイン」の他の分野
「テクノロジ系」の他のカテゴリ
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