ITパスポート 試験情報＆徹底解説

脱炭素社会の実現と持続可能な経済成長の促進を目的とした法律である。正式名称は「脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律」。従来の経済成長モデルを見直し、環境負荷の低減および産業競争力の向上を図るための指針を示している。

この法律では、以下の五つの柱が定められている。

1. GX推進戦略の策定および実行
2. GX経済移行債（脱炭素化と経済成長につながる、革新的な技術開発や設備投資を支援するための債券）の発行
3. 成長志向カーボンプライシング（GXに積極的に取り組む事業者へのインセンティブの付与や、化石燃料使用に対する賦課金の導入など）の導入
4. GX推進機構（GX投資の支援や、CO?排出量取引制度の運営などを担う機関）の設立
5. 国内外の脱炭素化および経済動向を踏まえた進捗評価と、必要に応じた制度の見直し

この法律が制定された背景には、地球温暖化対策に関する国際的な潮流の中で、環境対応の成否が企業および国家間の競争力に直結するという現状がある。また、日本のエネルギー自給率の低さや化石燃料依存という課題を克服するためには、脱炭素技術の開発や導入といった従来にはない技術革新が必要であり、こうした技術革新は、産業競争力の強化にもつながる。GX推進法は、このような流れを推進するための法律であり、環境保護と経済成長という二つの観点を持つことから、経済産業省と環境省の共管であり、連携して推進している。