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不法投棄の防止、環境の保全および公衆衛生の向上を目的として、事業者や自治体が廃棄物を適切に処理するためのルールを定めた法律である。正式名称は「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」。

廃棄物は大きく「産業廃棄物」と「一般廃棄物」に分類される。事業活動によって発生する廃棄物のうち、産業廃棄物は汚泥、廃アルカリ、廃プラスチックなど、政令で定める20種類の廃棄物を指し、それ以外が一般廃棄物に分類される。特に産業廃棄物は、不適切な処理が環境汚染につながるおそれがあるため、不法投棄や不適切な処理を防ぐ目的で、事業者に対して厳格な処理基準に従うことが義務付けられている。法令違反があった場合には、事業停止処分、拘禁刑、罰金などの罰則が科される。

この法律において責務を課されているのは、事業者だけでなく、国民、国および地方公共団体であり、その内容は以下のとおりである。

• 事業者の責務：事業活動で生じた廃棄物の適正処理、減量および再利用、処理内容を記載した産業廃棄物管理票の発行、国や自治体の施策への協力など
• 国民の責務：廃棄物の減量および適切な処理、国や自治体の施策への協力
• 国および地方公共団体の責務：住民への分別・減量意識の啓発と行動の促進、産業廃棄物の処理状況の把握と必要措置の実施、廃棄物に関する技術開発の推進など

事業者が他者に廃棄物処理を依頼する場合、適正な処理を確保するために、廃棄物の種類や数量などを記載した産業廃棄物管理票（「マニフェスト」とも呼ばれる）を交付する必要がある。また、一般廃棄物処理施設を設置する者、および産業廃棄物の収集・運搬・処理を行う業者は、都道府県知事の許可を得る必要がある（事業者が自ら処理を行う場合など、一部に例外あり）。