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TOC【Theory Of Constraints】てぃーおーしー
工程の中のボトルネック、すなわちプロセス全体の制約になっている部分を特定し、その部分を重点的に改善することで収益を最大化することを目的とする管理手法。"Constraints"は制約という意味のため、日本語では「制約条件の理論」と呼ばれる。
別名:
制約理論
分野:
ストラテジ系 » 経営戦略マネジメント » 経営管理システム
出題歴:
29年春期問6 
重要度:

(Wikipedia 制約条件の理 より)

制約条件の理論制約理論、もしくは TOC (theory of constraints) とも)は、あるシステムの目的(ゴール)を継続的に最大化することを狙う、全体的な管理哲学である。もしもそのシステムが営利事業であるならば、そのゴールとは、将来におけるのと同じくらいより多くの金を現時点で儲けるひとつの方法ということになる。

TOCによれば、あらゆる営利組織には、システムがそのゴールに対して相対的により高い業績を達成するのを妨げる、ひとつ以上の制約がある(リービッヒの最小律)。こうした制約は、大きく内部資源制約市場制約方針制約に分類できる。システムの業績を管理するために、これら制約が識別され、かつ、注意深く扱われることが必要である。

TOCの実施

制約条件の理論は、収入の割合がひとつ以上の制約プロセス、すなわちボトルネックにより制限されているという前提を基礎にしている。ボトルネックプロセスにおけるスループット (生産率) の増大によってのみ、全体的なスループットの増大が可能になる。

効果的なTOCアプローチの実施において鍵となるステップは次のとおりである。

  1. 制約を特定する (ボトルネックはそのプロセスの前の製品在庫により識別される)
  2. その制約を徹底活用する (その有用性と効率性を増やす)
  3. ほかの全プロセスをその制約プロセスに従わせる (ほかのプロセスはボトルネックに奉仕する)
  4. 制約を底上げする (もし必要なら、恒久的にボトルネックの許容量を増やす)
  5. すすぎと繰り返し (行動をとると、ボトルネックは移りゆき、さらなる注意が求められる)

TOC 思考プロセス

思考プロセスはプロジェクトの開始と実施の各ステップ間を管理者がくぐりぬけるのを助ける一群のツールである。思考ツールの論理的フローでの使用は、説得のプロセス:

  1. 問題について同意を得る
  2. 解法の方向について同意を得る
  3. その解法が問題を解決できることについて同意を得る
  4. いかなる潜在的否定的波及効果も克服することに同意する
  5. 実施する際のいかなる障害も克服することに同意する

を進める助けになる。

TOCの実践者は、抵抗層としてはたらくマイナス面を変えるために、これらを参照する。

思考プロセスは、ゴールドラットその他によって成文化されている:

  • 現状構造ツリー (Current Reality Tree : CRT, 多くの組織で使われている現状マップに類似) - 好ましくない結果 undesirable effects (UDE, ギャップ要素としても知られる)のあいだの因果関係のネットワークを評価して、好ましくない結果のほとんどの根本原因(複数可)を突きとめるのを助ける。
  • 蒸発する雲 (Evaporating cloud : 対立解消図 conflict resolution diagram または CRD) - 好ましくない状況の原因をいつも持続させている対立を解消する。
  • 中核対立の雲 (Core Conflict Cloud : CCC) - いくつかのUDEをもとにした、対立の雲の組み合わせ。好ましくない結果を作り出しているより深い対立を探すこと。
  • 未来構造ツリー (Future Reality Tree : FRT, 将来マップに類似) - CRTのなかで明らかになった原因の解消のために、また、CRDのなかの対立を解決するために、いくつかの行動(インジェクション)がいったん(かならずしも詳細でなくても)選ばれるとき、FRTがシステムの将来の状態を提示する。FRTはその変化のありうる否定的な結果(ネガティブブランチ)を識別することを助ける。FRTは変化が実施される前にその変化を熟成させることを助ける。
  • ネガティブブランチ (Negative Branch Reservations : NBR) - 任意の行動(インジェクション、または生焼けのアイディア)についての潜在的な否定的影響を識別する。NBRのゴールは、行動と否定的影響の因果の経路を理解し、その否定的効果を追い出せるようにすることである。
  • ジティブ強化ループ (Positive Reinforcement Loop : PRL) - 好ましい結果 desired effect (DE) がFRT中にあり、ツリーの最初のほう(低いほう)にある中間物 intermediate objective (IO) を増幅すること。中間物が強化されているあいだ、それはこのDEに肯定的に影響する。PRLが見つかる場合、FRTは長持ちする。
  • 前提条件ツリー (Prerequisite Tree : PRT) - 選ばれた行動を遂行し、プロセス中に発生するだろう障害を克服するのに必要なすべての中間物の状態。
  • 移行ツリー (Transition Tree : TT) - 変化(PRTで概要が示されていてもいなくても)を実施する計画を完遂するために指導的となる行動の詳細を記述する。
  • 戦略と戦術 (Strategy & Tactics : S&T) - 成功する実施およびPOOGI(Process of Ongoing Improvement 継続的改善プロセス)によって進行中のループをもたらす全体的なプロジェクトの計画および測定基準。

何人かの観察者は、これらのプロセスは基本的にはPDCA"Plan-Do-Check-Act"(checkがただ見ることであるのに対してstudyが積極的な取り組みを育むことから、現在ではPDSA "Plan-Do-Study-Act"とされることも多い)や"Survey-Assess-Decide-Implement-Evaluate"のような、他のいくつかの管理の変化モデルと大きく違ってはいないと書いている。しかしこの方法はより明確で直接的である。これについてはWilliam Dettmer 「Goldratt's Theory of Constraints - A Systems Approach to Continuous Improvement」ISBN 0-87389-370-0 (日本語訳は H.ウイリアム デトマー『ゴールドラット博士の論理思考プロセス―TOCで最強の会社を創り出せ!』内山 春幸 訳、中井 洋子 訳 ISBN 4-4960-4098-0) に詳しい。

スループット会計

スループット会計は制約条件の理論にリンクされた特定の会計方法論のことである。スループット会計は、ある人が吟味する製品と操作の変化のインパクトをビジネスのスループットにおけるインパクトとして語ることを示唆する。これは原価会計に代わるものである。

アプリケーション特有の TOC ソリューション

操業

製造作業と操業管理においては、ソリューションが探すのは、システムの中に引き込むことよりも、システムから物を引き出すことである。

  • ドラム-バッファ-ロープ(Drum-Buffer-Rope)

"同期生産"(SM)の基本的な原理は出口がひとつしかない講堂の例で説明できる。もし人々が講堂から出るように指示されるとき、人々がドアを通り抜けるペースは、講堂の中の人数によらず同じである。戸口の様子は、人々が出て行ける割合(人数/時間)を決定する。工場が一定数の製品を一定の期間に製造する限界値は与えられた期間に戸口から出て行ける人数に例えられる。工程中の原材料は講堂のなかの人数のようである。

手にすることができる商品の現実が工場生産と単純には相関しないということは最も基本的で重要なSMの基盤のひとつである。

参考として、DBRが要約されている"The Goal"の第37章を参照されたい。

プラント型

TOCの語彙には、プラントに4つの第一次タイプがある。原材料の流れをページの一番下から上に向かって引けば、4つのタイプを得る。その4つはシステムを流れる原材料の一般的な流れを指定する。それらは典型的な問題をどこで探せばよいかのヒントを提供する。4つのタイプは、より大きい設備の中では多くの方法で組み合わせることができる。

  • I-プラント: 原材料は、組み立てラインのような、ある順列のなかを流れる。第一次的な作業はひとつの直線的な事象の系列のなかでなされる。この場合の制約は、いちばん遅い操作である。
  • A-プラント: 一般的な原材料の流れは、多くの副組み立てラインが最終組み立てラインに集約する場合のような、"多から一へ"である。A-プラントにおける第一次的な問題は、集約の同期化である。各供給は最終組み立て地点に適切な時間に行われなければならない。
  • V-プラント: 一般的な原材料の流れは、ひとつの原材料から複数の製品を作るプラントの場合のような、"一から多へ"である。古典的な例は食肉加工プラントや鉄鋼製造業者である。V-プラントにおける第一次的な問題は、"横取り"、すなわちひとつの操作(A)が分散地点で他の(B)から原材料を"盗む"ことである。いちどAを通してそれが起こると、戻ってBから流れるようにするのは再作業なしには不可能である。
  • T-プラント: 一般的な流れはI(または複数のライン)で、それから複数の組み立てラインに分岐するものである。ほとんどの製造部分は複数の組み立てラインを使い、ほとんどすべての組み立てラインが複数の部分を使う。カスタム化された装置、たとえばコンピュータは、適当な例である。T-プラントはA-プラントの同期問題(組み立てラインが部品を全部は使えない)とV-プラントの窃盗問題(組み立てラインは別のもので使われたかもしれない部品を横取りする)の両方に苦しむ。

サプライチェーン / ロジスティックス

サプライチェーンのためのソリューションは、予測モデルよりも補充モデルに引っ越すことである。
  • TOC-分散(TOC-distribution)
  • TOC-VMI (ベンダー管理商品 vendor managed inventory)

財務および会計

意思決定のためにスループット会計を T、 OE、 および I とともに使う。

プロジェクト管理

  • クリティカルチェーンプロジェクト管理(CCPM)。あらゆるプロジェクトはA-プラントと見ることができるという認識に基づく:すべての操作は最終的に出荷できる一点に集約されなくてはならない。アクティビティの同時性はCCPMが取り組むべき共通の問題である。

マーケティングと販売

もともと製造とロジスティックスに焦点をあてていたため、TOCは販売管理については遅れて拡張された。最初のデータは販売システムは大きく制約されていることを示した。TOCは企業のスループット=販売結果を増やすという重要な機会を提示する。

  • 販売のためのソリューション

技術に関して必要十分な6つの質問

  1. その技術の実際の力は何か?
  2. それがなくせるのはどの制限か?
  3. その制限を引きずらせたのはどの古いルールか?
  4. いま使うべき新しいルールは何か?
  5. ルールの変更に照らして、技術に要求されるのはどんな変更か?
  6. 変化(新しいwin/winビジネスモデル)をもたらす方法は何か?

開発と実践

TOCはエリヤフ・ゴールドラットによって創始され、緩やかに結合された世界中の実践家のコミュニティにより活発に開発されているところである。TOCはときに"制約管理"("Constraint Management")として参照される。

TOCの統括団体と認定資格

TOCは創始以来世界中の実践家により発展を続けていたが、その広まりとともに「独自の解釈」やTOCの本旨とはかけ離れた手法が見られるようになった。
そこでエリヤフ・ゴールドラットの発案により、2001年11月、世界中のTOCを支持する実務家・コンサルタント・研究者を統轄する団体が設立された。

これがである。

TOCICOは、TOCの実務家・コンサルタント・研究者がそれぞれ持つTOCについての知識、経験がそれに相応しいものかどうかを、世界基準から認定するための非営利団体である。

TOCICOは、6つの分野においてそれぞれ3つの資格を設定する。資格取得においては、試験およびケーススタディの提出が求められる。

分野

  • Fundamentals
  • Supply Chain Logistics
  • Finance and Measures
  • Project Management
  • Thinking Process
  • Business Strategy

資格

  • Certified Practitioner
  • Certified Implementer
  • Certified Academic

Practitionerは全世界で272名、日本国内は4名認定されている。

日本人で認定されているPractitioner

カッコ内は認定分野
  • 村上 悟 (Supply Chain Logistics,Finance and Measures,Thinking Process,Project Management,Implementer)
  • 石田 忠由 (Supply Chain Logistics,Thinking Process,Fundamentals)
  • 佐々木 俊雄 (Fundamentals,Thinking Process)
  • 内山 春幸 (Supply Chain Logistics,Thinking Process,Fundamentals)

思考プロセスにおけるJonah資格

Thinking Process(思考プロセス)においては、主に認定プラクティショナーが実施する教育プログラムで専門家として認められた場合、TOCICO理事長ならびにThinking Process分野の認定メンバーの署名による証明書が発行される。一般的にこの資格は『ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か http://store.ponparemall.com/bookfan/goods/bk-4478420408/?dscv=pcPFTOP010101itemPickup 』に登場するアレックス・ロゴの恩師の名から採られた「Jonah」と呼ばれる。

Jonah資格はTOCICO「自体」が認定する資格ではない。認定はTOCICO認定プラクティショナーが独自に行い、TOCICOは認定プラクティショナーの申請に基づき、それを追認・登録するという形になる。したがって表記上は「TOCICO Jonah」もしくは「TOCICO登録Jonah」といった表記になる。

TOCICOに登録されたJonahの人数はTOCICOからは公表されていないが、日本国内で約200名、全世界で約2000名程度となっている。

出題例

一連のプロセスにおけるボトルネックの解消などによって,プロセス全体の最適化を図ることを目的とする考え方はどれか。

正解

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