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ITパスポート試験 用語辞典

中央銀行発行デジタル通貨
【Central Bank Digital Currency】
各国の中央銀行が発行するデジタル形式の法定通貨のこと。

民間企業が発行する電子マネーや仮想通貨とは異なり、紙幣や硬貨と同様に、国家がその価値を保証する。CBDCは現金と同等の価値を持ちながら、デジタル技術を活用することで、利便性や取引の透明性の向上が期待されている。

CBDCの導入が進めば、現金使用の減少により紙幣や硬貨の管理コストが削減されるほか、送金の即時性の向上や、銀行インフラが整っていない地域、または銀行口座を持たない人々に対しても、安全な決済手段を提供することが可能となる。また、取引履歴がデータとして記録されることで、違法取引の防止や脱税対策にもつながる。その一方で、透明性の高い取引においてプライバシーをいかに確保するか、多様な脅威に耐える高度な安全性および耐障害性を備えたシステム設計、ならびに数億人規模の取引に対応可能な即時決済能力など、社会的・技術的な課題も多い。

CBDCは、大きく「一般利用型(リテール型)」と「金融機関向け(ホールセール型)」の二つに大別される。リテール型は、個人や企業が直接利用できるもので、現金に代わる支払い手段として機能する。一方、ホールセール型は、主に銀行間決済など金融機関同士の取引を効率化するために用いられる。

現在、日本では導入は決定されていないものの、CBDCの導入に向けた技術検証や制度設計に関する議論が進められている。他国の状況を見ると、中国では主要都市においてデジタル人民元の実証実験が行われており、EUではCBDC導入の可能性を検討する「デジタルユーロプロジェクト」が開始されるなど、より進んだ取り組みが始まっている。
別名:
CBDC
分野:
ストラテジ系 » ビジネスインダストリ » e-ビジネス
(シラバスver6.3)
重要度:
「e-ビジネス」に属する用語
「ビジネスインダストリ」の他の分野
「ストラテジ系」の他のカテゴリ
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