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ITパスポート試験 用語辞典

オープンイノベーション
異企業間の共同研究、産学連携などのように、組織内の知識・技術と組織外のアイデアを結合し新たな価値を創造しようとすること。組織の枠組みを越え、広く知識・技術の結集を図ることを目的とする。
分野:
ストラテジ系 » 技術戦略マネジメント » 技術開発戦略の立案・技術開発計画
重要度:

(Wikipedia オープンイノベーションより)

オープンイノベーション(open innovation)とは、自社だけでなく他社や大学、地方自治体、社会起業家など異業種、異分野が持つ技術やアイデア、サービス、ノウハウ、データ、知識などを組み合わせ、革新的なビジネスモデル、研究成果、製品開発、サービス開発、組織改革、行政改革、地域活性化、ソーシャルイノベーション等につなげるイノベーションの方法論である。

概要

ハーバード・ビジネス・スクールの助教授によって提唱された概念で、イノベーションをおこすため、企業は社内資源のみに頼るのではなく、大学や他企業との連携を積極的に活用することが有効であると主張する。従来、企業は自社の中だけで研究者を囲い込み研究開発を行ってきた。こうしたクローズトイノベーションの研究開発は、競争環境の激化、イノベーションの不確実性、研究開発費の高騰、株主から求められる短期的成果等から困難になってきた背景がある。そのため、大学や他社の技術のライセンスを受けたり、外部から広くアイデアを募集するなど、社外との連携を積極活用するオープンイノベーションをとる企業が増えている。
一般的には秘密保持契約(NDA)を結んだ共同開発や情報交換から行うことが多い。

クローズトイノベーションを、自社の研究開発だけでなく、既存の社外連携(既存の産学連携やサプライヤーとの協業など)も含めたものとして捉え、そこで不足する技術やアイデアをもつ新しい相手に協業先を拡げる活動をオープンイノベーションと定義することもある。

オープンイノベーションで、定義されているイノベーションは社内システムから人事制度、CSRまで多岐にわたり技術分野には限定されない。

事例 

企業事例1
P&Gではコネクト&デベロップというプログラムを立ち上げ、社外で開発された知的財産を活用して社内で事業化することを図っている。
企業事例2
日本では、大阪ガス、東レ、日産自動車、味の素、デンソーなど多くの企業がオープンイノベーションへの取り組みを増やしている。
企業事例3
東レでは個別の技術情報を交換するオープンイノベーションサイト、NANOTECH SNeeedSを設けている。
企業事例4
仲介業者としてオープンイノベーションの円滑化を行う企業もあり、企業同士のオープンイノベーションをコーディネートしている例もある。
その他の企業事例
国内、海外とのスタートアップとの連携、アクセラレータープログラム、レートベンチャーキャピタル。
産学連携事例1
そのほか、東京大学が創薬オープンイノベーションセンターを開設したり、電気通信大学関係者が設けたオープンイノベーション推進ポータル、キャンパスクリエイトなど大学も同様のサイトを立ち上げるなどの活動を行っている。
産学連携事例2
新エネルギー・産業技術総合開発機構も類似の活動を行っており、企業同士の連携開発のサポートと開発金の助成を行っている。
その他事例1
デザイン分野のオープンイノベーションとしては、京都大学デザインスクールがデザインイノベーションコンソーシアムを立ち上げているほか、アートイベント デザインフェスタでの企業と個人の連携など事例もある。学生CGコンテストに取り組む、画像情報教育振興協会などでは、デザインと情報処理融合のコンピュータグラフィックスの促進に取り組んでいる。
その他事例2
自治体などの支援により、農業や医療、漁業などへの拡がりを見せている。
その他事例3
NPO法人、NGO、さらには伝統工芸と企業の連携などの事例も増えつつある。

産学連携における事例

産学連携の分野では科学技術振興機構が積極的に産学連携に取り組んでいる。その例として、科学技術振興機構では、大学、公的研究機関および科学技術振興機構の各種事業により生まれた、研究成果の実用化を促進するため、「新技術説明会」を開催を開催している。これには革新性の高い産学連携に助成金を出すといった制度もある。また、科学技術振興機構ではイノベーション・ジャパンとよばれる展示会を毎年夏に開催している。

自治体、行政、国立研究機関における事例

国立研究機関としては、物質・材料研究機構、、産業技術総合研究所、理化学研究所、国立情報学研究所の他、警察庁や気象庁管轄の研究機関まで多岐にわたり始めている。
自治体としては、オープンデータの取り組みが積極的になされ、日本では東日本大震災がオープンデータの機運が高まる契機になった。
自治体では鯖江市が2012年1月に初めてオープンデータを提供した。現在では、政令指定都市や都道府県、中央官庁でもオープンデータが進行している。
また、イノベーションの支援策としては大阪市が、イノベーションの担当職員を設け大阪イノベーションハブという場を設け、イノベーション推進に取り組んでいるほか、横浜市がオープンイノベーション・プロジェクトに取り組むなどの事例がある。
また、経済産業省はオープンイノベーションアリーナ構想を、日本再興戦略の一環として推進し、オープンイノベーションの国際化を推進している。

IT企業、IT技術における事例

IT企業にはIT勉強会やハッカソンとよばれる、他社同士で勉強会を開く文化があるほか、現在では一般的となっているオープンソースや、地方自治体や官庁などに眠っているデータをビジネスに活用していく、オープンデータといった取り組みもあり、オープン化についてはIT分野が先行していた。

従来、このようなハッカソンはIT企業を中心としたものであったが、メイカーズムーブメントの流れを受け、アナログ回路、デジタル回路、PCB設計、組み込みソフトウェア、3Dプリンタなどの技術領域を用いたハードウェア分野のハッカソンが行われるようになってくるとともに、製造業の大企業が行うハッカソンも増えてきている。また、音楽やアート、化学、金融、食品といった分野でも行われるようになってきている。

オープンイノベーション拠点

オープンイノベーションを目的として、場を提供するものが増えている。
それぞれ、趣旨は異なるがフューチャーセンター、コワーキングスペース、イノベーションハブ、インキュベーション施設、ファブスペースなどがある。

海外企業、大学、コンソーシアムとの協業

企業の国際化の観点から、海外企業、大学とのオープンイノベーションも注目されている。
IT分野ではシリコンバレーが有名ではあるが、1970年代から起業を支援しているイスラエルや、新興国の市場開拓の点から経済成長と起業が著しい中国の深セン市、インドのバンガロールやASEANとの協業例もある。
また、スマートエネルギー、農業であればオランダ、食品であればフランス、オランダ・フードバレーまた半導体分野ではIMECを置くベルギー等、国や組織により得意分野があり、それを意識した連携が不可欠である。
なお、日本台湾間ではオープンデータやオープンイノベーションのプロジェクトが多数立ち上がっている。

プラットホームとしてのSNS

オープンイノベーションでのプラットホームとしてのSNSが利用されている。米国での事例としてネットワーキングの手段として、facebookやlinkedin、Twitterが活用され始めている。
日本においても、クラウドワークスやeight、wantedly、Wemake、slideshareなどビジネス向けのSNSは存在するが、SNSのビジネス活用は情報流出の懸念から日本の大企業ではあまり進んでいない。

コミュニティ活動

産学連携学会などの学会や、研究・イノベーション学会などの学会型や、オープンイノベーション促進協議会など企業を中心とした企業間コンソーシアム型、IoT推進コンソーシアムなどの個別の技術のテーマに絞ったオープンイノベーションのコンソーシアム活動がある。
One Japan、あしたのコミュニティーラボなどの、オープンイノベーションを目的とした個人を中心としたコミュニティ活動も増えている。

雇用、働き方改革

オープンイノベーションの観点から、他社の文化を導入し組織にイノベーションをもたらす観点から副業を解禁する企業がある。また、あえて即戦力とはなりにくい異業種の人材を中途採用する、異業種の他社に人材交流として武者修行に出す、外へ出てぶらぶらと製品開発を考えるぶらぶら社員制度などの取り組みもある。あえて、他薦で変人を採用するなどの取り組みもある。また、エプソンの花岡元社長によれば、イノベーションには変な人、尖った人、でしゃばる人が必要なのだという
。このような、人材は異端児、未踏人材、とも呼ばれる。夏野剛によれば、一人のオタクが100人のエリートサラリーマンに勝つ時代であり、twitterのフォロワ数で評価するなど、今までとは違う価値基準が必要であり、中途採用が極めて重要であるという。これは、同質性の高い人材が多い組織は実行力が高い一方、イノベーションを生みやすい組織は多様性がある。というハーバードビジネスレビューの調査結果に基づいている。このようなダイバーシティとイノベーションを意識した人材登用としては、米国ではロケットサイエンティストが金融世界に入り金融工学を作り上げた、リーマンショック後の金融業界からシリコンバレーのIT企業に人が移りフィンテックを生み出したなどの例がある。日本においても、ミクシィのゲーム開発はカプコンのからの転職者などの例がある。イノベーションのためには、デザイン思考などの非生産的な活動が必要であり、生産性のジレンマの「生産性の高い工場ほど、新たな製品のアイデアは出にくく、反対に、生産性の低い工場は新たな製品のアイデアが出やすい」というトレードオフが存在する。

オープンイノベーションへの取り組みと課題

オープンイノベーションは企業間のコンソーシアムや、産学連携、企業の共同開発を通じて、社会的なインパクトを生むことを指す。したがって、一つのイベントやハッカソン、交流会を開催することとは異なる。さまざまな企業や団体がこうしたイベントでアイデアを交換し、事業化することが期待されているものの、企業の自前主義に阻まれているのが現状である。オープンイノベーション協議会のオープンイノベーション白書によれば、2016年7月において、10年前と比べて、OIの取り組みが活発化している企業の方が、外部との連携割合が高いが、それでも自社単独での開発は6割弱であり、未だ自前主義の傾向が強い可能性がうかがえる。

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